オール電化にしたらお得なの?

更新日:2019.09.23
カテゴリー:コラム

オール電化住宅とは、家庭のすべてのエネルギー源を電気でまかなう住宅です。主に、調理、給湯、空調(冷暖房)など家の中のシステムが全て電気によってまかなわれている住宅の事をさします。このため、今までガス(都市ガス、LPガス)を使用していた場合は、その使用がなくなります。住宅の高断熱・高気密化が進むなか、屋内で高温の燃焼ガスを発生させないことや、火を使わない事から安全と考えられ、オール電化設備やオール電化住宅の販売が促進されてきました。今回はそんなオール電化について、メリットデメリットをご紹介し、お得になるのかならないのかをお伝えしたいと思います。


【メリット】
・安くお湯が使える…電気の単価がガスよりも安くなる夜間にお湯を沸かすエコキュートや電気温水器を使うことで、お湯を安く作ることができます。エコキュートや電気温水器は、夜間に沸かしたお湯をタンクにためておき、そのお湯を日中に使うことができます。
・安く暖房を使える…電気の単価が安くなる夜間に蓄熱をする蓄熱暖房機を使うことで、暖房費を安く抑えることができます。蓄熱暖房機は、蓄熱レンガという蓄熱体に夜間のうちに熱を溜めておき、日中にその熱を放熱することで暖めています。蓄熱暖房機から発せられる熱は輻射熱(自然放流)のため、室内全体をムラなく暖めることができます。
・基本使用料を一本化できる…ガス併用住宅の場合は、ガス・電気それぞれに基本使用料がかかりますが、オール電化の場合は電気の基本使用料のみとなるので、基本使用料を一本化できるぶん節約ができます。
・住宅内に熱源を持たず安全…オール電化はガスのように住宅内に熱源を引き込みまないため、ガス漏れや不完全燃焼での一酸化炭素中毒の心配がないという安全面があります。また、オール電化のキッチンはIHクッキングヒーターを使いますが、IHクッキングヒーターはガスコンロと比べて、炎が発生しないため、ガスよりも火災に対する安全性が高いとされており、ガスに比べて二酸化炭素を増加させることもないので空気を汚しません。加えて、磁力線によって鍋自体を発熱させる(電磁誘導加熱)ため、キッチンまわりが熱くならず、ガスコンロよりも汚れにくく、フラットなため手入れが楽という利点があります。
・震災時にタンク内の水を利用できる…震災時などに、エコキュートや電気温水器のタンク内の水を一時的な生活用水として使用することができます(飲用水としては利用できません)。また、震災時は電気・ガス・水道の中でも電気の復旧が一番早いとされています。

【デメリット】
・電気料金が安いのは夜間のみ…オール電化住宅で使うエコキュートは、深夜にある程度お湯を沸かし、大きな魔法瓶のようなタンクに溜めておくのが基本的な使い方です。オール電化住宅で深夜割引プランを使うと、電気が安くなる夜間にエコキュートで大量の電気を使うので、光熱費が安くなります。しかし、オール住宅向けの電気料金プランは、日中の電気料金は高額な料金設定です。いくら深夜に電気が安くなるといっても、お子さんがいる場合や、日中誰かが自宅にいるなど、各家庭によってさまざまなライフスタイルがあります。オール電化住宅では、深夜に使える電化製品はタイマーをセットし、日中の高い電気料金の時間帯は、家電製品を使わないようにしないと、電気料金は節約できません。
・初期投資が高額…オール電化を導入するには台所、給湯、お風呂の設備を整えるだけでも必ず初期費用がかかります。オール電化住宅は、初期費用+修理費用+買い替え料金がセットです。電気料金などの節約が期待できるかわりに、初期費用がかかる弱点があることを頭に入れておきましょう。
・停電の時に機能しなくなる…IHクッキングヒーターだけのオール電化住宅は、災害のときに弱点になります。ガスと電気を併用している一般住宅の場合、停電の最中でもガスは使えます。一方、オール電化住宅は停電すると、家電が一切使えなくなってしまいます。給湯や炊事まで、すべての機器を電気で動かすオール電化住宅は、停電になると生活の手段が塞がれてしまうのです。停電の影響が大きいものの1つは、暖房です。冬にオール電化住宅の電気がストップしてしまうと、部屋を暖める手段がありません。ほかに困ることは、IHクッキングヒーターが使えないことです。エコキュートの場合、停電中でもタンク内に残っている水は蛇口から出すことができます。電気の復旧まで、新たにお湯を沸かすことはできません。

【結局お得なの?】
オール電化は、生活スタイルによっては想定した電気代コスト低下が難しく、逆に負担が重くなる可能性があります。そこで、オール電化にする前には、どのようなメリット、デメリットがあるのかを十分に知っておく必要があるのです。また、オール電化が優れていると思いがちですが、電気を使用する時間・給湯器など電力消費量の多い機器の使用頻度などによって、どの利用方法が優れているかは変わります。従って、場合によってはガスとの併用がお得になることもあります。実際にオール電化からガスとの併用へ戻す家庭も増えているといわれています。そのため、自分や家族の生活スタイルに合せて、よりお得になる方法をきちんと考えておくことが必要です。お得だという目先の言葉に踊らされてしまうと、損をしてしまうかもしれません。具体的な試算や専門家への相談をしっかり行い、生活に必須な負担を減らしてお得に生活を行いましょう。